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​アンケート調査の目的

 社会のグローバル化が広がるとともに、海外で生活する日本人も増加している。外務省の2015年の海外在留日本人数調査統計の統計によれば、永住者、長期滞在者を含めた海外在留の日本人数は、2017年10月1日現在約135.2万人(永住者約48.4万人、長期滞在者86.7万人)と、2011年と比較して、約7.4%増加している。なかでも、オーストラリアで暮らす日本人は、米国、中国と次いで3位と多く、2008年から2016年までの間に66,371人から97,223人と46%の急上昇をみせている。この傾向は続き、オーストラリアで暮らす日本人の数は今後も増加することが推測される。

 海外で暮らす日本人の生活上には、文化や価値観の違いがあるが、2010年のNTTの調査から、具体的な不満・不安要素として、衛生・医療環境では、「日本人医師のいる病院が少ない(37.9%)」がトップで、「受診料が高い(27.2%)」、「病院が遠い、少ない(16.0%)」「病院の際に適切な医療が受けられない(15.2%)」ことが報告されている。また、研究者が2017年にブリスベンで暮らす27歳から64歳までの日本人8名を対象に行った保健医療のインタビュー調査から、「文化の違いからくる医療・介護の戸惑い」「言葉の要求」「老後の不安」「ネットワークの共有」が明らかになっている。加えて、日本からの医療の提供を望んでいる人がいることも報告している。

 今回の調査では、「文化の違いからくる医療・介護の戸惑い」「言葉の要求」「老後の不安」「ネットワークの共有」の要因の信頼性を得るため、調査協力者数を増やし保健・医療・介護におけるニーズを明らかにすることを目的としている。

 

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